2 ベクトル空間

ベクトルや行列はデータを扱う上で強力な道具となるが,一方でその数学的な性質も理解しておくことは重要である. 数学的に空間とは「特定の公理やルールが定義された集合」を指す.ベクトル空間とはベクトルの集合に対して公理が付与されたものと捉えることができる. 公理やルールというのはやや形式ばった言い方ではあるが,例えば順序であるとか,足し算や引き算が可能であるとかそういったものをイメージすると良い.

このセクションでは,ベクトルを扱う上で基本的な操作が定義されたベクトルの集合を考えベクトル空間として定義しその性質を見ていく.