1.6 内積

ベクトルの内積という演算は,加減と同様同じ次元のベクトル同士において,以下のように定義される.

Definition 1.3 (ベクトルの内積) いま\(\boldsymbol a, b \in \mathbb R^{n}\)としてこれらの内積とは

\[ \begin{align} \boldsymbol a \circ \boldsymbol b = \sum_{i=1}^{n} a_i b_i = a_1 b_1 + \cdots + a_n b_n \end{align} \] と定義される.

内積の表現にはいくつか流儀があり\(\langle \boldsymbol a, \boldsymbol b \rangle\)などと表すこともある. 内積の結果から確認できるベクトル同士の重要な関係として直交という概念がある. これは\(\boldsymbol a, \boldsymbol b \in \mathbb R^{n}\)に対して

\[ \boldsymbol a \circ \boldsymbol b = 0 \]

が成り立つことをいう.幾何学的にはベクトルの成す角が90°となっている状態を意味している.

Exercise 1.5 (ベクトルの内積) 次のベクトルについて全ての組み合わせで内積を計算せよ.また直交しているペアがあればそれも答えよ.

\[\begin{align} \boldsymbol x_1 &= \begin{pmatrix} 8 & -13 & 18 & 2 \end{pmatrix} \\ \boldsymbol x_2 &= \begin{pmatrix} 5 & 2 & -9 & -4 \end{pmatrix} \\ \boldsymbol x_3 &= \begin{pmatrix} 2 & 2 & 1 & -4 \end{pmatrix} \end{align}\]