2.1 Independent Samples T-Test(独立標本t検定)

独立標本t検定では,「2つの標本の平均値が同じである」という帰無仮説について検定を行います。検定の結果得られたp値が小さい場合,帰無仮説が正しくない(つまり平均値に差がある)可能性が高いことを示します。

スチューデントの独立標本t検定は,2つの標本がともに正規分布の母集団から得られたものであり,かつその分散が等しいことを仮定しています。2標本の分散が等しいという仮定を用いるのが適切でないと考えられる場合には,ウェルチのt検定を使用することができます。また,2つの標本がどちらも正規分布の母集団から得られたものであるという仮定が不適切であると考えられる場合には,ノンパラメトリック検定であるマン・ホイットニー検定を使用することもできます。

**Independent Samples T-Test**

図2.1: Independent Samples T-Test

  • Dependent Variables(従属変数) 分析対象の変数を指定します。

  • Grouping Variable(グループ変数) グループの別が入力されている変数を指定します。

  • Tests(検定) 分析に用いる検定のタイプを指定します。

    • Student’s(スチューデントの検定) スチューデントの検定による検定結果を表示します。
      • Bayes factor(ベイズ因子) 帰無仮説と対立仮説の間でベイズ因子を算出します。
    • Welch’s(ウェルチの検定) ウェルチの検定による検定結果を表示します。
    • Mann-Whitney U(マン=ホイットニーのU) マン=ホイットニーのU検定の結果を表示します。
  • Hypothesis(仮説) 検定に用いる仮説を選択します。

    • Group 1 ≠ Group 2 グループ1とグループ2で平均値が異なるかどうかを検定します(両側検定)
    • Group 1 > Group 2 グループ1の平均値がグループ2の平均値より大きいかどうかを検定します(片側検定)
    • Group 1 < Group 2 グループ1の平均値がグループ2の平均値より小さいかどうかを検定します(片側検定)
  • Missing values(欠損値) データに欠損値が含まれている場合の対処方法を指定します。

    • Exclude cases analysis by analysis(分析ごとに除外)
    • Exclude cases listwise(行全体を除外)
  • Additional Statistics(追加の統計量) 一般的な分析結果に加えて算出したい統計量を指定します。

    • Mean difference(平均値の差) グループ間の平均値の差とその標準誤差を算出します。
      • Confidence interval [   ](信頼区間) 平均値の差の信頼区間を算出します。
    • Effecr size(効果量) 平均値の差についての効果量を算出します。
      • Confidence interval [   ](信頼区間) 効果量の信頼区間を算出します。
    • Descriptives(記述統計量) 従属変数について,グループごとの記述統計量を算出します。
    • Descriptives plots(記述統計量のグラフ) 従属変数の平均値と中央値についてのグラフを作成します。
  • Assumption Checks(前提チェック) 検定に必要な前提条件が満たされているかどうかの確認を行います。

    • Homogeneity test(等質性検定) 分散の等質性についての検定を実施します。
    • Normality test(正規性検定) 分布の正規性についての検定を実施します。
    • Q-Q plot(Q-Qプロット) 正規Q-Qプロットを作成します。