3.1 One-Way ANOVA(1要因分散分析)

この「1要因分散分析」メニューは,「通常の」分散分析の手順を単純化したものです。説明変数(独立変数)は1種類しか使用できませんが,ウェルチ法による分析も可能です。ウェルチ法による分散分析は,「すべてのグループで分散が等しい」という仮定が必要ないという点に強みがあります。

また,このメニューでは従属変数を複数指定することもできますが,その場合には従属変数ごとに個別に分析が実行されます。

**One-Way ANOVA**

図3.1: One-Way ANOVA

  • Dependent Variables(従属変数) 分析対象の測定値が入力されている変数を指定します。

  • Grouping Variable(グループ変数) グループの値が入力されている変数を指定します。

  • Variances(分散) 分析における分散の扱い方について設定します。

    • Don’tassume equal (Welch’s) 各グループの分散が等しいと想定しない形で分析を行います(ウェルチの検定)
    • Assume equal (Fisher’s) 各グループで分散が等しいという仮定の元に分析を行います(フィッシャーの検定)
  • Missing Values(欠損値) 欠損値の処理方法について設定します。

    • Exclude cases analysis by analysis(分析ごとに除外)
    • Exclude cases listwise(行全体を除外)
  • Additional Statistics(追加の統計量) 記述統計量の算出と表示に関する設定を行います。

    • Descriptives table(記述統計量の表)
    • Descriptives plots(記述統計量の図)
  • Assumption Checks(前提チェック) 分散分析の前提が満たされているかどうかを確かめます。

    • Homogeniety test(等質性検定) 分散の等質性についての検定を行います。
    • Normality test(正規性検定) データの正規性についての検定を行います。
    • Q-Q Plot(Q-Qプロット) 正規Q-Qプロットを作成します。
  • | Post Hoc Tests(事後検定) 分散分析の事後検定に関する設定を行います。

3.1.1 Post-Hoc Tests(事後検定)

主効果が有意であった場合の事後検定についての設定です。

**Post-Hoc Tests**

図3.2: Post-Hoc Tests

  • Post-Hoc Test(事後検定) 事後検定についての設定を行います。
    • None(なし) 事後検定を行いません。
    • Games-Howell (unequal variances) ゲームス=ハウエル法による多重比較を行います。この方法では分散の等質性を仮定しません。
    • Tukey (equal variances) テューキー法による多重比較を行います。この方法では各条件の分散が等質であることが前提となります。
  • Statistics(統計量) 事後検定の統計量に関する設定を行います。
    • Mean difference(平均値の差) 条件間の平均値の差を算出します。
    • Report significance(有意確率の報告) 検定統計量の有意確率(p値)を表示します。
    • Test results (t and df)(検定結果:tと自由度) 検定統計量と自由度を表示します。
    • Flag significant comparisons(差が有意なペアにマーク) 差が有意であったペアに「*」などの印をつけて示します。