4.3 Linear Regression(線形回帰)
線形回帰は,連続型の従属変数(目的変数)と1つあるいは複数の独立変数(説明変数)の関係を検討するための分析手法です。
図4.3: Linear Regression
Dependent Variable(従属変数) 回帰分析に使用する目的変数を指定します。
Covariates(共変量) 回帰分析に使用する説明変数のうち,連続型(
)のものを指定します。
Factors(要因) 回帰分析に使用する説明変数のうち,名義型(
)のものを指定します。
(モデルビルダー) 交互作用を含むモデルの作成や複数モデルの比較を行います。
(基準レベル) 比較基準として用いる水準値を指定します。
(前提チェック) 正規性の検定など,分析の前提条件をチェックします。
(モデル適合度) モデル適合度に関する設定を行います。
(モデル係数) モデル係数に関する設定を行います。
(推定周辺平均) 各効果の周辺平均値(回帰モデルによる推定値)に関する設定を行います。
(保存) モデル予測値や残差などを新たな変数として保存します。
4.3.1 Model Builder(モデルビルダー)
交互作用を含むモデルの作成や複数モデルの比較を行います。
図4.4: Model Builder
- Predictors(予測変数) 分析モデルに含まれる予測変数(説明変数)の一覧です。
- Blocks(ブロック) 説明変数を組み合わせて分析モデルを作成します。
4.3.2 Reference Levels(基準レベル)
分析において基準とする水準の値を設定します。
図4.5: Reference Levels
- Variable(変数) 名義型説明変数の一覧です。
- Reference Level(基準レベル) 回帰係数を算出する際の基準レベルを指定します。
- Intercept(切片) 切片の計算方法を指定します。
- Reference level (dummy coding) 基準レベルを0,それ以外を1の形に数値化します。
- Grand mean (simple coding) 変数値の平均が0になるように数値化します。
4.3.3 Assumption Checks(前提チェック)
正規性の検定など,分析の前提条件をチェックします。
図4.6: Assumption Checks
- Assumption Checks(前提チェック) 回帰分析の前提条件が満たされているかどうかをチェックするための項目です。
- Autocorrelation test(自己相関検定) 自己相関の有無について検定します。
- Collinearity statistics(共線性統計量) 多重共線性の問題が生じていないかどうかを確かめます。
- Normality test(正規性検定) 残差の正規性について検定を行います。
- Q-Q plot of residuals(残差Q-Qプロット) 残差のQ-Qプロットを作成します。
- Residual plots(残差プロット) 残差のプロットを作成します。
- Data Summary(データ要約)
- Cook’s distance(クックの距離) 各測定値についてクックの距離を算出します。
4.3.4 Model Fit(モデル適合度)
モデル適合度に関する設定を行います。
図4.7: Model Fit
- Fit Measures モデル適合度の指標を指定します。
- R 重相関係数(R)を算出します。
- R² 決定係数(R²)を算出します。
- Adjusted R² 調整済み決定係数(R²)を算出します。
- AIC 赤池情報量規準(AIC)を算出します。
- BIC ベイズ情報量規準(BIC)を算出します。
- RMSE 誤差2乗平均平方根(RMSE)を算出します。
- Overall Model Test(モデル全体の検定) 全体的なモデル適合度についての検定を行います。
- F test(F検定) 説明変数を含まない帰無モデルと分析モデルに有意な差があるといえるかどうかについて検定を行います。
4.3.5 Model Coefficients(モデル係数)
モデル係数に関する設定を行います。
図4.8: Model Coefficients
- Omnibus Test(オムニバス検定) 各説明変数についてオムニバス検定を行います。
- ANOVA Test(ANOVA検定) 各説明変数の説明力が0でないかどうかを検定します。
- Estimate(推定値) 回帰係数の推定に関する設定を行います。
- Confidence interval(信頼区間) 回帰係数の信頼区間を算出します。
- Interval [ ]% 信頼区間の幅を指定します。
- Standardized Estimate(標準化推定値) 回帰係数の標準化に関する設定を行います。
- Standardized estimate(標準化推定値) 標準化回帰係数を算出します。
- Confidence interval(信頼区間) 標準化回帰係数の信頼区間を算出します。
- Interval [ ]% 信頼区間の幅を指定します。
4.3.6 Estimated Marginal Means(推定周辺平均)
各効果の周辺平均値(分析モデルに基づく平均値)の推定に関する設定を行います。
図4.9: Estimated Marginal Means
- Marginal Means(周辺平均値) 周辺平均値の算出対象を指定します。
- General Options(全般オプション)
- Equal cell weights(均等重みづけ)
- Confidence interval(信頼区間) 周辺平均値の信頼区間を算出します。
- Interval [ ]% 信頼区間の幅を指定します。
- Output(出力)
- Marginal means plots(周辺平均値のグラフ) 周辺平均値をグラフに示します。
- Marginal means tables(周辺平均値の表) 周辺平均値を表に示します。
4.3.7 Save(保存)
分析結果を新たな変数として保存します。
図4.10: Save
- Predicted values(予測値) 回帰モデルによる予測値を変数として保存します。
- Residuals(残差) 回帰モデルの残差を変数として保存します。
- Cook’s distance(クックの距離) クックの距離を変数として保存します。