2.2 定積分
定積分とは,積分の際に特定の範囲に限定して積分を求める演算である.
Definition 2.2 (定積分) 連続関数f(x)についてのx∈[a,b],a<bでの定積分とは,x=aからx=bの範囲でx軸とf(x)で囲まれた領域の面積のことを意味する. これを
∫baf(x)dx
と表し,定積分と呼ぶ.f(x)は被積分関数という.
Figure 2.1: 定積分における面積の正負
定積分の計算では,面積の値が負になる場合がある.具体的には,関数値がx軸よりも上側(大きい)か,下側(小さい)かで別れる. 図2.1では青色の部分がプラスの面積,マイナスの面積であることを示している. そこで,我々が普段扱う面積と対応するように,負の面積についてのみ,ちゃんと正の値として足し上げる必要がある. そのためには,どの範囲で関数の値が負になるのかどうかについて,増減表などを用いてあらかじめ把握しておく必要がある.
また,不連続な点を有限個持つような関数f(x)における定積分は,連続な部分の定積分の和として定義される. 例えばI=[a,b]を定義域とし,ある点c∈(a,b)で不連続である関数f(x)については
∫baf(x)dx=∫caf(x)dx+∫bcf(x)dx として定積分を求める.
Theorem 2.2 (定積分) 関数f(x)の原始関数をF(x)とする.このとき,f(x)のI=[a,b]での定積分は
∫baf(x)dx=[F(x)]ba=F(b)−F(a)
と計算される.
Exercise 2.2 (定積分1) 次の定積分を求めよ.
∫202exdx