1.6 合成関数の微分
次に合成関数の微分について紹介する.
Theorem 1.5 (合成関数の微分) 関数f(x),g(x)を微分可能な関数とする.このとき
{f(g(x))}′=f′(g(x))g′(x)
となる.
証明は(椎名・姫野・保科 2019)を参照のこと.この定理はz=f(g(x)),w=g(x)と変数変換すれば,
dzdx=dzdwdwdx
のように表すこともできる.
次に,よく見られる合成関数の形についての微分の結果について紹介する.
Theorem 1.6 (良くある合成関数の微分の形) 関数g(x),h(x),k(x)をそれぞれ以下のような関数とする(すなわち微分可能である).
- g(x)=log|f(x)|
- h(x)=(f(x))n
- k(x)=ef(x)
だたし,ここで関数f(x)は微分可能であるとする. このとき,以下が成り立つ.
g′(x)=f′(x)f(x)
h′(x)=n(f(x))n−1f′(x)
k′(x)=f′(x)ef(x)
Exercise 1.4 (合成関数の微分) 次の関数を微分せよ.
- f(x)=(x2+3x+1)4
- f(x)=√x2+1
References
椎名・姫野・保科. 2019. データサイエンスのための数学. データサイエンス入門シリーズ. 講談社サイエンティフィク.