2.6 正定値・半正定値行列の固有値の性質
与えられたデータの行列X∈Rn×mに対して,A=X⊤XまたはA=XX⊤は対称行列となり,これらは半正定値または 正定値行列になることが知られている.
そして,半正定値・正定値行列について以下の性質が成り立つ.
Theorem 2.5 (正定値・半正定値行列の固有値の性質) A∈Rn,A=A⊤として,その固有値をλ1,…,λnとする. このとき,以下が成り立つ.
- λi>0,i=1,…,n⇔Aのは正定値である.
- λi≥0,i=1,…,n⇔Aのは半正定値である.
- X∈Rn×mとすると,X⊤XとXX⊤の固有値のうち正の値であるものの個数は一致し,それはrankAに等しい.
- 固有値の最大値λmaxは任意の\|\boldsymbol x \| = 1となる\boldsymbol x \in \mathbb R^{n}によるAの二次形式\boldsymbol x^{\top}A \boldsymbol xの最大値に等しい. また,Aの固有値の最小値\lambda_{min}は\boldsymbol x^{\top}A \boldsymbol xの最小値に等しい.
Exercise 2.4 (正定値・半正定値行列の固有値の性質) 次の行列が正定値行列・半正定値行列・それ以外かどうかを判定せよ.
\begin{align} A = \begin{pmatrix} 4 & 2 \\ 2 & 1 \end{pmatrix} \end{align}