1.3 行列式の余因子展開

ある行列の行列式をその余因子の和で表すことを行列式の余因子展開と呼ぶ.

Theorem 1.2 (余因子展開) \(A \in \mathbb R^{n\times n}\)について,\((i,j)\)成分の余因子を\(A_{ij}\)とする時,\(A\)の行列式は

\[ \begin{align} \det A &= \sum_{i=1}^n \tilde A_{ij} a_{ij} \\ &= \sum_{j=1}^n \tilde A_{ij} a_{ij} \end{align} \] と表すことができる.行に関する場合を「\(\det A\)の関する余因子展開」,列に関する場合を「\(\det A\)の列に関する余因子展開」などという.

Exercise 1.3 (余因子展開) 次の行列について余因子展開を行い行列式を求めよ.

\[\begin{align} \begin{pmatrix} 3 & 2 & 1 \\ 1 & 1 & 0 \\ 1 & 2 & 1 \end{pmatrix} \end{align}\]