1.6 一般的な事象に対する確率

これまでに議論してきた事象とその確率について,改めて,なるべく一般的な議論に適用するように以下のようにまとめておく. まず,全体事象を\(S\),その部分集合としての部分事象\(A_i \in S, i=1,\ldots,k\)とする. 空集合に対応する事象として空事象\(\phi\)としておく(空事象は何も起こらないことではないことに注意されたい).

これらを踏まえて,本講義で扱う確率は,次の三つの公理を満たすものとする.

Definition 1.2 (確率の公理) 次の3つを確率の公理とする.

  1. \(0 \leq P(A) \leq 1\)
  2. \(P(S) = 1, P(\phi) = 0\)
  3. \(A_i, i=1,\ldots,k\)かつ\(A_i \cap A_j = \phi, i \neq j \Leftrightarrow \displaystyle P\left( \bigcup_{i=1}^{k} A_i \right) = \sum_{i=1}^{k} P(A_i)\)