2.10 連続型の同時分布
連続型の確率変数\(X,Y\)について同時分布を考えていこう.基本的には離散型と同様に考えることができる.連続型の場合は,
\[\begin{align} 0 &\leq f(x,y) \leq 1 \\ \int_{-\infty}^{\infty} & \int_{-\infty}^{\infty} f(x,y) dxdy = 1 \end{align}\]
を満たす関数\(f(x,y)\)を用いて
\[\begin{align} P(a \leq X \leq b, c \leq Y \leq d) = \int_c^d \int_a^b f(x,y) dxdy \end{align}\]
として確率分布が定まる.この\(f(x,y)\)を\(X,Y\)の同時確率密度関数などと呼ぶ.周辺分布については,離散型の時と考え方は同じで,興味のない確率変数について確率を足し上げれば良いので,連続型の確率変数の場合は
\[\begin{align} f_X(x) &= \int_{-\infty}^{\infty} f(x,y) dy \\ f_Y(y) &= \int_{-\infty}^{\infty} f(x,y) dx \end{align}\]
となる.
同時分布の期待値については,基本的には\(E[T(X,Y)]\)のように,\((X,Y)\)を入力とした実数値関数\(T:\mathbb R^2 \rightarrow \mathbb R\)を通して考えることになる.この場合は,密度関数を\(f(x,y)\)とした一変数の期待値と同様に扱うことができる.
Exercise 2.7 (同時確率の期待値と分散) Exercise 2.6の設定を引き続き考えよう. これらの同時分布・周辺分布について期待値と分散を求めよ. 確率変数\(X,Y\)の実現値は\(x \in \{ 1,2 \}\),\(y \in \{ 1,2,3 \}\)であり同時確率関数は 以下で与えられる.
\(y=1\) | \(y=2\) | \(y=3\) | |
---|---|---|---|
\(x=1\) | \(\dfrac{1}{12}\) | \(\dfrac{3}{12}\) | \(\dfrac{4}{12}\) |
\(x=2\) | \(\dfrac{2}{12}\) | \(\dfrac{1}{12}\) | \(\dfrac{1}{12}\) |