1.2 集合と確率

集合については第1回の講義で簡単に触れた. ここでは改めて集合について考えていき,その後確率を導入していく.

要素の集まりを集合と呼び,慣習的には大文字で表す.例えばある集合Aを考える. ある要素aが集合Aに含まれるか,または含まれないかを記号でそれぞれ

aA,aA

と表す.また要素を一つも持たない集合を空集合と呼びϕと表すことにする.

1.2.1 和集合と積集合

ある2つの集合A,Bを考える.この2つの集合に含まれる要素全ての集合を和集合と呼び, AB

と表す.また,2つの集合のどちらにも含まれる要素全ての集合を積集合と呼び,

AB

と表す.

次に一般にk個の集合Ai,i=1,,kを考えた時,これらの和集合・積集合をそれぞれ

ki=1Ai,ki=1Ai

と表す.この和集合は,少なくともどれかの集合Aiには含まれる要素全ての集合であり,積集合は全ての集合Aiに含まれている要素全ての集合となる.

1.2.2 分割

特に,集合Ai,i=1,,kのうち,どの二つの集合Ai,Aj,ijに対して互い疎な時,つまりAiAj=ϕが成り立つ時,ki=1AiAi,i=1,,j分割されているという.

Exercise 1.2 (集合と分割) 次の集合に対して,分割であるような集合族と分割でない集合族をそれぞれ考えよ.

  1. {1,2,3,4,5,6}
  2. 実数全体の集合R