3.6 正定値・半正定値行列の固有値の性質 

与えられたデータの行列\(X \in \mathbb R^{n\times m}\)に対して,\(A = X^{\top}X\)または\(A = XX^{\top}\)は対称行列となり,これらは半正定値または 正定値行列になることが知られている.

そして,半正定値・正定値行列について以下の性質が成り立つ.

Theorem 3.5 (正定値・半正定値行列の固有値の性質) \(A \in \mathbb R^{n}, A = A^{\top}\)として,その固有値を\(\lambda_{1},\ldots,\lambda_{n}\)とする. このとき,以下が成り立つ.

  1. \(\lambda_i > 0, i=1,\ldots,n \hspace{3mm} \Leftrightarrow \hspace{3mm} A\)のは正定値である.
  2. \(\lambda_i \geq 0, i=1,\ldots,n \hspace{3mm} \Leftrightarrow \hspace{3mm} A\)のは半正定値である.
  3. \(X \in \mathbb R^{n\times m}\)とすると,\(X^{\top}X\)\(XX^{\top}\)の固有値のうち正の値であるものの個数は一致し,それは\(\text{rank}A\)に等しい.
  4. 固有値の最大値\(\lambda_{max}\)は任意の\(\|\boldsymbol x \| = 1\)となる\(\boldsymbol x \in \mathbb R^{n}\)による\(A\)の二次形式\(\boldsymbol x^{\top}A \boldsymbol x\)の最大値に等しい. また,\(A\)の固有値の最小値\(\lambda_{min}\)\(\boldsymbol x^{\top}A \boldsymbol x\)の最小値に等しい.

Exercise 3.4 (正定値・半正定値行列の固有値の性質) 次の行列が正定値行列・半正定値行列・それ以外かどうかを判定せよ.

\[\begin{align} A = \begin{pmatrix} 4 & 2 \\ 2 & 1 \end{pmatrix} \end{align}\]