3.1 固有値と固有ベクトルの定義

\(A \in \mathbb R^{m\times n}\)はベクトル空間\(\mathbb R^{m}\)から\(\mathbb R^{n}\)への写像であることは既に述べた. また,データを行列として扱えるということも少し述べたが,データを行列と見做したとき,さらにその行列の写像としての 特徴を考えることは分析において有益であることが多い. 代表的なものととして固有値・固有ベクトルが挙げられる.

Definition 3.1 (行列の固有値・固有ベクトル) \(A \in \mathbb R^{n\times n}, \boldsymbol x \neq \boldsymbol 0 \in \mathbb R^{n}, \lambda \in \mathbb C\)として,

\[ A \boldsymbol x = \lambda \boldsymbol x \]

が成り立つ時,\(\lambda\)Aの固有値\(\boldsymbol x\)\(\lambda\)に対応する\(A\)の固有ベクトルという. ここで,\(\mathbb C\)は複素数全体の集合であり,\(\lambda\)は複素数である.

固有ベクトルとは,ある行列による変換で向きが変わらないような特別なベクトルである. 例えば,

\[ A = \begin{pmatrix} 2 & 2 \\ 1 & 3 \end{pmatrix} \]

の固有値\(\lambda_1 = 4, \lambda_2 = 1\)・固有ベクトル\(\boldsymbol x_1 = (1/\sqrt{2}, 1/\sqrt{2})^\top, \boldsymbol x_2 = (2/\sqrt{5}, -1/\sqrt{5})^\top\) であるが,それらとそれ以外のベクトルが\(A\)によってどのように変換されるかを見てみよう.

本講義のリポジトリをクローンしていれば,eigen-app > app.Rのファイルを開き,

図3-1:app.Rを開く

ファイルのPane右上に表示されるRun Appをクリックしよう.

図3-2:Run Appをクリック

すると次のような画面が開かれ,行列\(A\)によるベクトル変換の様子を見ることができる.

図3-3:eigen-app

数値を変更するとベクトルが変更され,どのような変換がされるのかを見ることができる. また,「Random」ボタンを押すとランダムな値で変更される.