2.4 逆行列と余因子展開

逆行列の計算についても,余因子を利用した方法がある.

Theorem 2.3 (余因子と逆行列) \(A \in \mathbb R^{n\times n}\)について,\((i,j)\)成分の余因子を\(A_{ij}\)とする時,\(A\)が正則ならば\(A\)の逆行列\(A^{-1}\)は以下のように求めることができる.

\[ A^{-1} = \frac{1}{\det A} A^\ast = \frac1{\det A} \begin{pmatrix} \tilde A_{11} & \cdots & \tilde A_{n1} \\ \vdots & & \vdots \\ \tilde A_{n1} & \cdots & \tilde A_{nn} \\ \end{pmatrix}^\top \] ここで,\(A^\ast\)\(A\)の余因子\(A_{ij}\)を要素としてもつ行列であり,これを余因子行列と呼ぶ.

Exercise 2.4 (余因子展開による逆行列の求め方) 次の行列について,余因子行列を利用して逆行列を求めよ.

\[\begin{align} \begin{pmatrix} 3 & 2 & 1 \\ 1 & 1 & 0 \\ 1 & 2 & 1 \end{pmatrix} \end{align}\]